地球の歴史上、「制覇勝利」に最も近づいた文明はモンゴルでしょう。モンゴルを含むステップの遊牧民は、10倍以上の人口をもつ農耕民族国家に対して、しばしば軍事的優位に立ちました。これは彼らが騎兵戦力を互角以上に動員できたからです。
また古代史上、もっとも有名な軍事的成功者と言えるアレクサンドロスは、騎兵の機動力を活用することで、圧倒的な国力をもつペルシャに勝利しました。ローマに連戦連勝したハンニバルも、その強さの秘密は騎兵による包囲殲滅戦法でした。
しかしながら、BtSにおいて弓騎兵は「騎乗と弓術という重めの行き止まり技術二つが必要にもかかわらず、銅と狩猟一つで出せる槍兵一体が相手スタックにいるだけで、手も足も出なくなる」と揶揄されていました。
【Real Power of Nations】では史実と同様に、騎兵が野戦における最重要ユニットとなります。
【Real Power of Nations】で、弓騎兵とそのアンチユニットである槍兵が戦った場合の勝率を見てみましょう。
【CASE1】 攻:槍兵→守:弓騎兵@平地 勝率27.2%
平地では弓騎兵に25%の戦闘力ボーナスがつきます。槍兵の対騎乗ボーナス50%を考慮しても勝率は27.2%にしかならず、平地にいる弓騎兵を槍兵で攻撃するには数を揃える必要があります。

【CASE2】 攻:槍兵→守:弓騎兵@森林 勝率50.0%
森林では弓騎兵の戦闘ボーナスがつきません。槍兵の対騎乗ボーナス50%により互角の勝率となります。

【CASE3】 攻:弓騎兵→守:槍兵@平地 勝率73.0%
平地では弓騎兵に25%の戦闘力ボーナスがつきます。槍兵の対騎乗ボーナス50%を考慮しても勝率は73.0%であり、槍兵が平地で弓騎兵を止めることは困難です。

【CASE4】 攻:弓騎兵→守:槍兵@森林 勝率21.9%
森林では弓騎兵の戦闘ボーナスがつきません。槍兵の対騎乗ボーナス50%と防御ボーナス50%により弓騎兵の勝率は21.9%に下がります。森林や丘陵に陣取る槍兵は弓騎兵の進撃を止めるのに有効です。

【Real Power of Nations】 では、騎兵に対抗する最も有効な兵種は騎兵です。馬が入手できない場合、前線都市を丘の上に築き、地形防御ボーナスや攻城兵器の援護を頼りに槍系ユニットで守勢にまわるしかありません。
戦車以前に攻勢にでるためには、ライフル兵vs騎士など、世代格差を作り出す必要があります。騎乗ユニットの保有数には制限があるため、物量作戦も有効です。
騎乗ユニットの保有数に制限があるのは、馬に乗りながら武器を使うという特殊技能は、成人してから習得することが困難で、特に古代においては騎兵の数を揃えることは難しかったからです。
BtSでは、騎兵隊のアップグレード先がなぜか戦闘ヘリでした。戦車が出てからヘリまでが長く、その間騎兵隊はアップグレードもできず遊兵になってしまいます。またアップグレードしても、軍の主力は機械化歩兵と現代機甲師団であって、ヘリはおまけのような存在です。
【Real Power of Nations】では、騎兵隊は戦車にアップグレードし、最終的には現代機甲師団になります。弓騎兵から可愛がってきたユニットの最後の姿として、これ以上ふさわしいものはないでしょう。

現実世界でも、たとえば陸軍騎兵学校を卒業し、1932年のロサンゼルスオリンピック馬術大障害飛越競技で金メダルを取ったバロン西こと西竹一は、戦車第26連隊長になっており、その後、硫黄島で九七式中戦車を駆ってM4シャーマン中戦車の大軍を相手に奮戦し、戦死しています。